子どもの力を引き出す
大人の関わり方
〜講演会を通して見えた、地域でできること〜
研修部
日時:令和8年2月7日(土):10:00
会場 : キックス3階
講師 : (第1部)
認定NPO法人ASOVIVA/
代表理事 長村知愛氏 Osamura Chia
(第2部)
認定NPO法人ASOVIVA/
理事 吉元かおり氏 Yoshimoto Kaori
研修部員と役員で講演を拝聴してきました。
今回の講演を通じて、子どもたちの可能性を信じ、温かく見守る地域づくりの
大切さを改めて学ぶ機会となりました。
これからの健全育成活動に役立つ内容ですので、ぜひ、一読してください。
今回講演いただいた長村知愛さまと、吉元かおりさまの関係は、母娘です。
長村さまの小学校時代はまわりを気にする性格で、「先生を怒らせてしまうのではないか」などと強く思うことがあり、なかなか素の自分を出すことができない子どもだったそうです。
このような理由で小学校5年生の時には不登校となり、自分はダメだと罪悪感を持ち、
まわりの家族やモノによくあたっていたそうです。
吉元さまもお母さんの立場として、娘である長村さまと寄り添っていたのですが、思うようには行かず、
また周囲の方々からも心無い言葉を受けるとかがあったそうです。
そのような中で、長村さまが中学生の頃、吉元さまがフリースクールの立ち上げ準備を進めていました。そこに長村さまが自分と同じ様に「学校に行けない子どもを元気にしたい」と言う想いを持って、現在の法人を立ち上げ、長村さまは代表として、吉元さまは理事として現在活躍しておられます。
「子どもの力を引き出す大人の関わり方」をテーマに、不登校を経験した子と、不登校の子を持った
親目線、両視点でご拝聴ください。
■不登校は“怠け”ではなく、心のSOS
長村氏は「不登校は怠けではない」と強く語られました。
子どもの心は“コップ”のようなもの。
友達関係、勉強の不安、家庭の変化など、さまざまな出来事が少しずつ積み重なり、いっぱいになってあふれたとき、「学校に行けない」という形で現れることがあるそうです。
しかし、大人はつい
「なぜ?」「何があったの?」と理由を探してしまいます。
けれども実際は、子ども自身も理由が分からないことが多いのです。
そんなとき大切なのは、問い詰めることではなく、
「しんどいんだね」と受け止めること。
まず安心できる環境をつくることが、何よりも大切だと教えていただきました。
■元気を取り戻す3つの段階
子どもが回復していく過程には、
休息期間(安心して休む時期)
移行期(少しずつ外に目が向く時期)
出発期(自ら動き出す時期)
という段階があるそうです。
焦らせてしまうと、かえって長期化してしまうこともあるとのこと。
一つひとつの段階を大人が理解し、信じて見守ることが重要だと感じました。
特に印象的だったのは、
「助けて」と言った子どもに、希望を渡すのか、絶望を渡すのかは大人次第
という言葉です。
■「課題の分離」という考え方
講演では、アドラー心理学の「課題の分離」についても紹介されました。
たとえば
・勉強するかどうか
・進路をどうするか
これは「子どもの課題」。
一方で、
・将来が心配
・このままで大丈夫だろうか
という不安は「大人の課題」です。
子どもの課題を大人が背負いすぎると、親子関係が苦しくなってしまいます。
子どもが自分で選び、その結果を受け止める経験こそが、自立につながるのだと学びました。
■大人にできること
長村氏が運営する学びの場では、
・否定しない
・褒めすぎない
・まず受け止める
という関わり方を大切にしているそうです。
「ありのままの自分で大丈夫」という安心感が、子どもが再び挑戦する土台になるとのことでした。
また、子どもだけでなく、保護者を地域で支えることの大切さも強調されました。
「最近どう?」
「何かあったらいつでも言ってね」
そんな何気ない一言が、大きな支えになることがあります。
■学校復帰がゴールではない
講演の最後に語られたのは、
目指すべきゴールは「学校復帰」ではなく「社会的自立」である、ということ。
学校という道が合わない子がいるのは当然。
大人が「選択肢は一つではない」と理解しているだけで、子どもは大きな安心を得られるそうです。
「大丈夫。道はひとつじゃない。」
このメッセージを、地域として伝えていけるかどうかが問われていると感じました。
■地域で子どもを見守る力
今回の講演を通して、
子どもたちは“止まっている”ように見えても、実は根を伸ばしている最中なのだと学びました。
また、地域の力として、おじいちゃん・おばあちゃん、ご近所の方々が、保護者に対して
「大丈夫」「こういう場所もあるよ」
「成長の過程でトンネルに入ることは誰にでもある」と安心させてあげてほしいと思います。
■青少年健全育成会ができること
子どもが「助けて」と言ったとき、私たちは希望を渡せる大人でありたい。
地域全体で保護者を支え、子どもを見守る体制をつくることが、これからの健全育成活動に求められていると感じました。
今回の講演を通じて、子どもたちの可能性を信じ、温かく見守る地域づくりの大切さを改めて学ぶ機会となりました。
・子どもを急がせない
・保護者を孤立させない
・地域で温かく見守る
そんな活動をこれからも大切にしていきたいと思います。
子どもたちが安心して「助けて」と言えるまちへ。
そして、自分らしく歩んでいける地域づくりを、皆さまと共に進めていきたいと思います。
詳しい講演内容(抜粋)は、下記よりダウンロードしてご覧ください